第26章 君と私の約束五箇条❥伊達政宗
(...っていうか、政宗に故郷を壊されたのは、謀反を起こしたせいじゃ...)
それって政宗が悪いの?なんて今考える必要のないことも考えてしまう。
でもそれを考えると更に深くその事について考え続けてしまう。
(もし謀反を起こさなかったら故郷も壊されなかったはずだし...謀反って形じゃなくてもっと他の形でも行動を起こせたはずじゃないのかな..)
確かに故郷を壊されたのは可哀想とは思ったが、それはすべてその故郷の自己責任ではないだろうか。
(うぅ〜言いたいことがたくさん出てきてしまったっ...)
刀を突きつけられているというのに私は顔をしかめてしまう。
それを見た男が不審な顔を私に向けた。
「おい、何か言いたいことがあるのかよ。」
その言葉にどきっとはするが口には出さない。
「いえ、何でもない、です...」
しかし、その男は諦めなかった。
「何だよ、気になるだろ、言えよ。」
「いえ、全然関係ない事なので...」
(いや、だいぶ関係してるだろうけど...!)
「何だと、おい、言わないと殺すぞ!」
と、更に男が際どいところまで刀を突きつけてきた。
「っ、分かった、言いますから、!」
(なんか趣旨変わってない!?)
私がそう言うとようやく男は刀をもとの位置へと戻した。
「で、なんだ。」
「あの...その、貴方の故郷が破壊されたのは、その...自己責任じゃないかなって...」
その私の言葉を聞いた男は一気に顔を歪ませる。
「あぁ!?何だと!?」
「っ、落ち着いて下さい、まだ続きがあるんです」
私がそう言うと男は意外と素直に落ち着いた。
「私が思うに...政宗は自分の利益というか、自分の為になることしかしません。だから...政宗のやったことには全て意味があると思うし...謀反じゃなくて他の形をとったらこうならなかったんじゃないかって...」
私が恐る恐る言うと男は顔を真っ赤にして私を睨みつけた。
「くそっ!お前俺の故郷を踏みにじる発言をしたな!!」
(えっ?)
あまりの急展開に驚く。
「いや、私は踏みにじるなんて...」
私がそう言いかけるも、刀をその男は一気に振り上げた。
「そんな奴、俺が殺してやるよ!!!!」
そう叫んだかと思うとその刀を一直線にこちらへと向かわせた。