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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第24章 消えない想いはいつまでも。『前編』❥明智光秀




「...あ、の私は、水を飲みに来て...」

どうしてもしどろもどろになってしまう。

光秀さんからどんな言葉が放たれるか分からなくて下を向いた。

(...怖い。光秀さんからどんな言葉が出るのか。)



これまでの言葉を思い出して足がすくむ。

そんな私を見た光秀さんは...


「...ふっ、そんな怖がらなくても何もしない。」

「あ...」


その声で私は顔を上げる。

するとあの夜ぶりの光秀さんの笑顔が見えた。

その笑顔は、やっぱり大好きなままで...

(っ、やっぱり、戻りたい...。)


心の底からそう思った。


でも、光秀さんは笑顔からすっと真顔に戻ると、


「だが、お前が夏香に何かしたら...俺は何をするか分からないがな。」


「...!」

それは、あの朝に見た、鋭い目だった。

(光秀さん、ここまで夏香さんの事を、想ってるんだ。)

確かに、昼間針子の仕事をしているときの夏香さんはとてもにこにこしていて、可愛かった。


(でも私には、光秀さんしかいないんだよ....っ?)


光秀さん以外は考えられないのに...これからどうしていけばいいというのか。

そんなふうに考え込んでいる私を不審に思ったのか光秀さんが私に声をかける。


「おい、水を飲みに来たと言ったな。」

「!あ、はい...」

「水ならここにある。飲んでいけ。」

「あ...ありがとうございます。」

光秀さんから渡された水をこくんと一口飲む。

(っ、寒いっ...)

その水はとっても冷たくて、ただでさえ薄着をしてきた私には辛いものだった。


(こんなに冷たいなんて聞いてない...!)


「こんなに冷たいなんて聞いてない?」


「えっ!?」

光秀さんから放たれた言葉に驚く。

「え、私、口に出してましたか!?」

「いや、顔にそう書いてあるからな。」

光秀さんが平然と答える。

(う、嘘...!)

「ふっ、今度は信じられない、という顔か?」

光秀さんはにやりと笑っていった。


(うわぁ、さすが光秀さんだな。)

「よく分かりますね...」

私がそう言うと、

「これで分からない奴がいるほうが不思議だがな。」

一瞬で返された。


(うう〜...やっぱり光秀さんは何でもわかるんだな。)


私がそう思っていると、

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