第23章 純白花嫁は貴方の為に❥豊臣秀吉
「秀吉さんっ...!?」
いつもの笑みを浮かべながらこちらを見つめる、愛しい人の姿。
(っ、どうして...)
この状況が理解出来ず、立ちすくむ。
それに秀吉さんはまるで新郎のような...いつもとは違う着物を身に着けていた。
驚きで何も言えない私に秀吉さんがそっと近寄ってくる。
それを私はまるでスローモーションのように見ていた。
そして、秀吉さんが私の前に立つと、まるで王子様のように私の手を取って。
「俺は...お前が好きだ。だから、俺の嫁に、来てくれませんか。」
「!!!」
秀吉さんから放たれた言葉に、頭がついていけない。
「っ、あ、あ...」
何かを言おうとするもそれは言葉にならない。
そんな私を見て秀吉さんはまたふっと笑った。
「なんだ、返事は?」
まるで答えを分かりきってるような秀吉さんの声に私は慌てて口を開いた。
「っ、わ、私もっ...」
「秀吉さんのことが、好きっ...!!」
その言葉は、口にすると簡単で。
でもその意味はとても重くて。
秀吉さんしか見てないんだよと言うように、必死に言葉を紡いだ。
その言葉を聞いた秀吉さんはさらに幸せそうな笑顔になると、
私をぎゅっと抱きしめた。
「...俺も。」
「っ...!!」
やっぱり、秀吉さんは、かっこいい。
どんな言葉も心に刺激を与える。
...でも。
「っ、なんで秀吉さんがここに...?」
私はお見合いしに来たのではないのだろうか。
私が秀吉さんにそっと聞くと、秀吉さんがまた笑みを浮かべた。
「あぁ、見合いだ。」
「っ、じゃあなんで...」
「俺との、だけどな。」
「え、」
秀吉さんが私の言葉を遮る。
遮られて出された言葉は。
私にとってかなり衝撃的なものだった。
「え?ど、どういう...」
思わず聞き返してしまう。
その質問にも秀吉さんは笑った。