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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第23章 純白花嫁は貴方の為に❥豊臣秀吉





それから、月日が流れ。

私はとうとうお見合いの場に来ていた。

女中の人から普段はしないメイクをしてもらっているところだ。

信長様によると、その相手はかなりかっこいいらしく、気品も良くて優しい人らしい。


(...でも、私は秀吉さん以外やだよっ...)


どれだけ賢くてかっこよくて良い人でも。

私が好きになった秀吉さん以外に好きな人は出来ない。

(なんてこんなことになったんだろう...)


もちろん、信長様にも直談判しにいった。





『どうしてお見合いなんてっ...私は秀吉さんがっ...』

『貴様にとやかく言う権利はない。見合いをしろと言っている。』


冷たい目で見下ろされ、もう何も言えなくなった私はそこで引き下がってきたというわけだ。

(どうして、くらい教えてくれたっていいのに...)

信長様は意外とケチなのかもしれない。

なんて誰かをワルモノにしないと、自分の気持ちが押しつぶされそうだった。


(っ、秀吉さんっ...秀吉さんっ...)

心の中で何度も愛する人を呼ぶ。

だけどその人が来てくれるわけもなく。



「華様、出来ました。鏡をご覧になってくださいませ。」

女中の人から声がかかった。

(っ、いよいよなんだ。)

私は渡された鏡を見る。

(...!!)

そこにはまるで自分ではないような女性がいた。

真っ赤に引かれた紅と結い上げられた髪。本当に別人のようだ。

...でも。

(私が見せたいのは、秀吉さんだけ...)

そうは思いつつも、私はもう殆ど諦めていた。

もうこのままそのお見合い相手の嫁になるのだと、ほぼほぼ確信していた。


「華様、こちらです。」

女中の方が私の手をそっと取る。

「っ、はい。」

もう見慣れてしまった安土城の廊下を悲しい気持ちで歩いていく。

もう私の気持ちはここで終わるのだと。

少し軋む廊下が伝えているかのようだった。

そして。



「ここが見合いの会場にございます。」

女中さんがそっと言う。

「さぁ、お入り下さいませ。」


「っ、」

もうこの襖を開けてしまったら戻れない。

でも、もう決めたから。

私は心を決めて襖をそっと開けて



お見合いする相手の顔を見た。






「!?」








でも、そこに居たのは。

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