第22章 トキメキが止まらない?❥織田信長
「...俺は、貴様が思っているより貴様を愛している。」
「!」
その言葉に華は、はっと俺の顔を見つめた。
その真っ直ぐな瞳を合図に俺は更に語りだした。
「...貴様は俺の心を試したいと言っただろう。だが、そんな事はしなくとも俺の気持ちは貴様に向いている。だから、余計な心配はせずともいつでも俺の気持ちは貴様に伝える。」
俺がすべてを言い切ったあと、そっと華を見る。
...が。
「っひっ、ひっく...」
「!?」
華は、泣いていた。
「っ、どうした。何か気に障る事でも言ったか。」
華が何故泣いているのか分からない。
(俺が少々きつく言い過ぎたのか。)
しかしそれくらいしか思い当たりがない。
未だに泣き続ける華にどうすればいいのか分からず、そっと華の背中をさすると。
「...私。信長様のことを、しっかりと分かっていませんでした...」
小さい声で華が呟いた。
「...」
話し始めた華を促すようにそっと頷く。
それを見た華はまたそっと話し始めた。
華の話によると。
華は寂しさから俺のことを信じられなくなってきていたらしい。
そして、500年後の時代から持ってきていた心理を試す本を俺に仕掛けたというわけだった。
「っ、ほんとに、ごめんなさいっ...」
華が泣きながら必死に謝る。
だが、俺は謝ってほしいわけじゃない。
「...俺の心を覗こうともしなくても、俺はいつでも貴様に想いを晒しているが?」
泣いて謝っている華にそっと声をかける。
その俺の声に華は顔を上げた。
そしてきょとんとして、言葉を紡ぐ。
「それは、どういうことですか?」
...分かっていないならば、分からせてやらないとな?
俺はにやりと笑って華の耳元まで寄ると___。