第22章 トキメキが止まらない?❥織田信長
「世界の誰よりも____愛している」
「っ...!!」
華が瞳を大きく開けて言葉を失ったように俺を見つめる。
そんな華に引き寄せられるようにそっと口づけを落とした。
「っのぶなが、さまっ...」
泣いて赤くなったのか恥ずかしくて赤くなったのか分からない顔で俺の名前を呼ぶ。
「...なんだ?」
その問いかけに応える。
「ありがとうっ、ございますっ...!!」
「...っ!」
今度は俺の頬が赤づく番だった。
何を言うのかと思えば、さっきの赤い顔のままで、満面の笑みを浮かべて俺に感謝を述べるとは...
否応なしに心臓が大きく波打つ。
「...これはなんだ」
「?どうしたんですか?」
さっきの満面の笑みの破壊力を知らないようなきょとんとした顔で俺の言葉に反応し、見上げてくる華。
(こやつ...自分の魅力を理解しておらんな...)
そう思うだけで胸がぎゅっと締め付けられる。
「っ、この、胸が締め付けられるのはなんだっ...?」
その言葉を聞いた華は少し驚いた顔をしたあと、笑みを浮かべた。
「信長様、それは...トキメキって言うものだと思います」
「っ、ときめき?」
「はい、胸がぎゅーっと締め付けられて自分が分からなくなる。そうでしょう?」
「っ、そうだ。」
俺の返事を聞いた華はまた笑みを浮かべて、
「えへ、じゃあわたしと一緒ですね?」
と、首をかしげて言った。
その姿にも胸が締め付けられた俺は悟った。
(ふっ、ならば、俺は一生こやつにときめきというものを感じるというわけか。)
だが、それも悪いものではない。
華に人生を捧げるのも悪くはないだろう。
俺は華をぎゅっと抱き寄せると、
「ならば俺は一生貴様にときめきというものを感じなければならないな?」
と、また赤くなって俺の名前を呼ぶであろう華に囁いた。
終。