第3章 二人の恋の交差点 ❥徳川家康
わあ、さすが戦国武将だなぁ、と、
華が思っていたその頃...
家康は廊下をすたすたと歩いていっていた。
首筋は真っ赤だ。
(なに、あの子、なんであんなに可愛いの??)
(恥ずかしくなって俯くなんて可愛すぎにもほどがあるでしょ、それに、俺が笑っているときのあの顔ほんとに堪んない...)
今でも思いだすと顔が真っ赤になりそうだ。
華の顔もそうだが、態度まですべてが可愛すぎる。
これまで家康は特別の1人。というものを作ろうとしなかった。
その存在があるだけで弱くなると思っていたからだ。
(...でも、)
違う。あの子は俺を強くしてくれる。
あの子の側にいるだけであったかい気持ちになれる。
そんなことは初めてだった。
それを
恋
と呼ぶと気づいたのは本当に最近の話だ。
あの子は俺の大好きな子。
それにしても、
あの子の笑顔をみるだけでこんなに心臓がばくばくいってる、なんて...
(重症だなぁ)
(あのお気に入りの花畑に誘ったら喜ぶかな、今度誘ってみようかな)
そんなことをのんびり考えていた家康はこれから先に起こる事を全く予測していなかった...。