第18章 蒼い瞳のその奥を。❥伊達政宗
「二人とも。火花が散りすぎて見てらんないので来ましたけど。華が困惑してますよ。」
その声でようやく俺と光秀は我に返った。
そして。二人とも同時に華を見つめる。
そこで少し怯えながらも華が宥めるように俺達に言った。
「け、喧嘩しないで二人とも...?」
何が起こったか分からないという顔をしている。
だが、今は光秀の前から連れ出さないと本気で取られる気がして俺はばっと立ち上がった。
それと同時に華も抱き上げる。
「政宗、どうし...」
華が何か言おうとしているがそれを遮る。
「今からお前をかっさらう。いいな?」
一応確認はするが、華の返事は待たない。
俺はそのままずんずん歩くと信長様に華を奪いさる許可を貰い、俺は宴の席から出ていった。
そして、今に至る。というわけだ。
だが、少しだけさっきと雰囲気が違う。
なぜなら。
俺が、華に告白したからだ。
今しかないだろうという思いと光秀に取られてしまうという焦りからすぐに伝えてしまった。
華はびっくりした顔で俺をじっと見つめている。
(まだ早かったか。)
そうは思ったが、言ってしまったのだ。
返事を聞かないと。
「なぁ、返事は?」
俺はその先の答えを分かっていたが、あえて華にその答えを催促した。
「私は...」
そこまで言いかけて華はううん、と首を振った。
「私も、」
あぁ、待ち焦がれていた瞬間が来るのだと。
政宗は直感的に思った。
そして。
「政宗のことが、好きだよ。」
華は、満面の笑みで、俺に向かって、その言葉を放った。
「っ....!」
予想はしていたが、破壊力が、すごい。
俺はその可愛さに耐えられず華をとっさに抱きしめてしまった。
わぁ...!と華が可愛い声をあげる。
それは前の戸惑った声ではなく、嬉しいという感情が前に押し出された声だった。
それにさらに気持ちが高揚する。