第18章 蒼い瞳のその奥を。❥伊達政宗
「...やっと言ったな。」
俺はにやりと笑いながら言った。
ついつい可愛くて揶揄うようなことを言ってしまう。
それに華はえっ、と声を出した。
「ま、政宗知ってたのっ...?」
ほら、また顔を赤くする。
それさえも可愛くて、愛おしくて俺はそれには返事をせずに、吸い寄せられるようにまぶたにちゅっと口づけを落とした。
「んっ...」
華が艶めく声を出す。
それに我慢が出来なくなりそうになる。
だが、まだ思いを通わせて半刻も経っていない。
今襲うのは違うだろう。
そう思って体を離した。
華が聞いてくる。
「ね、ねぇ政宗、知ってたの?」
ここで素直に答えてしまうのは面白くないだろう。
だが、さっきやっと言ったなと言ってしまった手前、なんて言おうか考えていると...
「ま、政宗。」
ふいに華が名前を呼んだ。
「ん?」
それに意識を戻すと...
ちゅっ
華が俺の頬に口づけを落としたのだった。
(っ!?)
突然のことにびっくりすると同時に馬鹿みたいに心臓が高鳴った。
しかし、その感情を表に出さないように華に話しかける。
「今日はいつになく積極的だな?」
俺がそう問いかけると...
華が瞳を揺らして小さな声で言った。
「...がほしい」
「え?」
その声が聞き取れなかった俺は?というマークを顔に出した。
すると、華が声を張り上げた。
「政宗がっ、欲しいのっ!」
(!!!)
ぶちっと、理性が切れる音がした。
華は顔を真っ赤にしながらも、懇願するような目で俺を見つめる。
「お願い...」
俺はだいぶ理性を失くしていた。
その瞳に。もう耐えられなくなり、華をがばっと抱き上げる。
「わっ!!」
驚いてはいるものの、その瞳は期待に満ちている。
「...愛してやるよ。気をやるまでな。」
俺が華にそう囁くと。
「...っ、うんっ...」
その返事を合図に、俺は華を愛すための部屋へと向かっていった。
終。