第18章 蒼い瞳のその奥を。❥伊達政宗
家康に助けられた私はそっと口を開いた。
「け、喧嘩しないで二人とも...?」
すると政宗がいきなり立ち上がる。
それに伴って私もがばっと抱き上げられた。
(!?)
「政宗、どうし...」
その言葉は政宗の言葉によって遮られた。
「今からお前をかっさらう。いいな?」
「っえ...」
私の返事も待たず、政宗はずんずんと襖の前まで歩くと、
「信長様、こいつ攫っていってもいいですか?」
信長様に聞いた。
すると、
「あぁ。好きにしろ。」
信長様がふっと笑いながら答える。
それを合図に政宗は宴の部屋から出ていった。
政宗の腕の中で私はぐるぐると考えが頭を回っていた。
どうして連れ出すんだろう。
何かあったのかな。
もしかして政宗も私を...?
そんな考えがずっと巡っていたとき、
「おい、ついたぞ。」
その声で私は意識をこちらへと戻した。
「え、縁側?」
その質問に政宗は答えない。
政宗は縁側へとそっと私を下ろすと同じように隣に座った。
二人の間に沈黙が流れる。
(うう、どういう状況なんだろう、これ。)
この沈黙に耐えられずに私が口を開こうとしたその時、政宗が口を開いた。
「...お前に、伝えなきゃならないことがある。」
「え...」
伝えなければならないこと?
「俺は回りくどいことはキライだから単刀直入に言うが...」
そこで一旦政宗は言葉を切った。
政宗が大きく息を吸う。
そして。
「華が、好きだ。」
私の目を真っ直ぐに見て、政宗はそう伝えた。
「っ...!!」
やっぱり、政宗はずるい。
「...それだけで、私を虜にするんだから。」
私は小さく呟く。
でもその声は政宗には届かなったようで...
「なぁ、返事は?」
政宗が私を覗き込む。
そうだ、私も返事をしなければ...
私も政宗と同じように大きく息を吸い込む。
「私は...」