第18章 蒼い瞳のその奥を。❥伊達政宗
「っえ、」
光秀さんはその琥珀色の目を揺らしながら私に近づいてくる。
もう少しで唇が触れる____。
その時、私の体がぐいっと後ろに引かれた。
「っ、わっ!?」
ぎゅっと抱きしめられる。
背中から抱きしめられているので誰かは分からないが、
(この匂い...政宗?)
匂いで誰かわかるのは自分でも気持ち悪いと思うが、好きな人の匂いは分かってしまうものだ。
そっと上を見上げると政宗が光秀さんを睨んでいた。
そんな政宗に光秀さんも呆れたように見つめる。
「お前、殺されたいのか?」
(!?)
政宗からいきなり物騒な言葉が飛び出てきて驚いた。
それに光秀さんは何も答えない。
「ま、政宗...?」
私が下からそっと声をかけると...
その瞳がまっすぐに私に注がれた。
まるで、政宗の心の奥がその瞳から透けて見えそうだ。
そんなことを思っていると、
政宗はもう一度光秀さんに向き直った。
「お前、次こんなことしたら許さないぞ。」
その言葉に漸く光秀さんが口を開く。
「なぜだ?お前と華は恋仲なのか?」
「っ...」
その言葉に政宗が少しだけたじろいだ。
「違うのか?なら何故華に触れてはいけない?まだお前のものではないのだろう?」
光秀さんが煽るように政宗に言う。
「み、光秀さん...」
政宗と光秀さんの間には何か見えない火花が散っているようだった。
(ど、どうしちゃったの二人とも...)
私は相変わらず政宗に抱きしめられているし、この状況をまずなんとかしないと...
そう思ったとき、その二人の火花を途切れさせたのは、家康だった。
「二人とも、火花散りすぎて見てらんないので来ましたけど。華が困惑してますよ。」
その家康の言葉ではっと我に返ったように二人が私を見る。