第18章 蒼い瞳のその奥を。❥伊達政宗
そして、あっという間に夜になり。
私は宴の席に来ていた。
信長様が上座で皆に声をかける。
「貴様ら、何でもない日の宴を存分に楽しめ。そして、これからも俺の駒として働け。」
信長様がにやりと笑った。
その声を合図に皆が一斉にわぁぁっと湧き上がった。
(なんか、信長様、最後の方怪しかった気もするけど...)
皆が気にしていないなら良いのだろう。
もう皆はお酒を飲み始めている。
私もお酒が嫌いなわけではない。どうせなら皆と一緒に楽しみたい私はお酒を持っている秀吉さんのところへ行った。
「ねぇ、秀吉さん、私にもお酒くれない?」
秀吉さんに声をかける。
「あぁ、華か。いいぞ。」
と言って秀吉さんが私にお酒と酒器を差し出す。
「ついでだし、注いでやろうか?」
秀吉さんがお酒の器を私に向けた。
(え、)
(今秀吉さん、ついでと注いでをかけた...?)
でも当の本人は全く気づいていないらしい。
頭の上にはてなマークを浮かべて私を見ている。
「どうしたんだ?」
「ううん。なんでもない!貰うね、ありがとう!」
秀吉さんが私に酌をしてくれる。
(わあ、美味しそう...)
「いただきます」
早速秀吉さんの隣でお酒に口をつけた。
「わあっ...、これ、すごく美味しい!」
私は秀吉さんに向かって感嘆の声を上げた。
「おう、だろ?これは俺が選んだものだからな。」
秀吉さんはふふん、と胸を張った。
そんな秀吉さんにほっこりしながらも私はお酒を手酌で飲みすすめる。
すると、
「おい、華。俺にも注いでくれないか?」
そう言って来たのは...
「光秀さん、いいですよ!」
光秀さんだった。
私が光秀さんに注いでいる間、
「お前みたいな小娘でも酒が飲めるんだな」
なんてにやりと笑いながら私にいう。
「っ、もう子供じゃないんですよ...!」
私が必死にそう抵抗すると、
「ほう、では、子供扱いをしなければ良いということだな?」
そう言って、光秀さんが私の顎に手をかけた。