第17章 可愛くなりたい私とかっこいい君。❥豊臣秀吉
そう秀吉さんが言った途端、町娘が一斉にこちらを見た。
全員が品定めするように私の頭から爪先まで見る。
そして町娘の一人が私に手を差し出した。
「え...」
「なに、握手よ、握手。」
にっこりと笑って言うのでつられて笑ってしまう。
私はそっと町娘の手を握った。
そんな私達を秀吉さんはうんうんと頷きながら見ている。
すると。
「あんたが恋仲なんて、認めないから。」
私だけに聞こえる声で、町娘が言った。
(!!)
それだけ言うと町娘は手をぱっと離して秀吉さんに向き直った。
「今度、お茶でもしましょうね?秀吉さん」
「あぁ、いつかな。」
「えぇ。じゃあまた、!」
秀吉さんが返事をしたのを確認して町娘たちは向こうへと駆けていった。
「あいつらは良いやつらなんだ。」
秀吉さんがそう言うが、
私の頭の中では、
あの町娘の声がこびりついていた。
認めない認めない認めない...
そうループしているうちに一つの結論に辿り着いた
私は、認められないんだ。秀吉さんのかっこよさに、つり合わないから。
...なら。
私が、可愛くなるしか、ないよね?