第16章 キライキライやっぱりスキ❥徳川家康
「...あんたのこと、好きじゃない。」
「っえ...」
その声で華が顔をあげる。
そして涙で瞳を潤ませそうになったとき...
俺はその言葉の続きを放った
「...愛してる。」
華が、目を見開く。
俺が華に、手を伸ばす。
そして____
俺は華をそっと抱きしめた。
腕の中の華が震えているのが分かる。
自分でもなんであんな言葉が出てきたのかは分からない。
でも、多分。
華につける感情は、好きとかそんな問題じゃない。もっと大きくて溢れだしそうな思いだ。
きっとそれは、
愛してるって、いうんじゃないか。
そう思った。
華はそっと顔を上げる。
そして俺をじいっと見つめて
「...私も、愛してる。」
涙でぐしゃぐしゃの顔で、笑った。
(っ...!)
その顔だけでやられてしまう。
その可愛さに、愛嬌に。
俺は華に顔を近づけると。
そっと、唇を重ねた。