第15章 戯れなんて、言わないで。❥織田信長
私が信長様の寝顔を見つめていると...
ふいに、信長様の目がすっと開かれた。
「あ...」
私はなんて声をかければ良いのか分からず、ただ声をあげる
すると、信長様の深紅の目が私を捉えた。
そして私をぎゅっと引き寄せる。
「っ...?」
もちろん嬉しかった私だが信長様に聞きたいことがありすぎてうまく言葉が出てこない。
そんな私の様子が分かったのか信長様が私に話しかけた。
「...聞きたいことはたくさんあると思うが、今は聞かないでくれないか」
(...え?)
「どういうこと、ですか?」
私は漸く声をあげる
どうして聞いてはいけないんだろう
信長様の顔をしっかりみつめた。
すると信長様はなにか悪いことでもしたかのようにバツの悪い顔を一瞬だけしたが、すぐにもとの顔に戻した。
そして、
「...すまない、」
それだけいうとまた私を抱きしめた
そして私は信長様の腕の中でもんもんと考え込んでいた
どういうこと?
聞かないでだけじゃ分かんないよ
信長様は何をしてたの?
疑問が増え続ける。
しかしそんなことはお構いなしに信長様は腕を解いて立ち上がった。