第15章 戯れなんて、言わないで。❥織田信長
...お時間?
その言葉に私が首を傾げていると...
信長様がすっと立ち上がって私にこう言った。
「少し出てくる。貴様が心配するようなことではないが少し時間がかかる。俺が戻ってくるまでどんな罰が良いか考えておけ。」
にやりと不敵な笑みを浮かべながら言う信長様に少しの疑問などすぐに吹き飛んだ。
「華、返事は?」
信長様が催促する。
「...はい。」
私がそう言うと信長様は満足そうな顔を浮かべてさっと天守から出ていった。
信長様がいなくなった天守は少し寂しいが信長様はきっとすぐに帰ってくるだろう。
そう思って私は信長様を待ち続けた。
(遅くないかな...?)
私は違和感を感じ始めていた。
信長様が出ていってきっともう三時間くらい経っている気がする。
その証拠にもう空は暗くなり始めていた。
(なんで戻ってこないんだろう。)
信長様は約束を守る人だってきっと私が一番知っている。なのにどうして信長様は帰ってこないんだろう。
そんな疑問を抱きつつ、
私は待ち続けた。
ずっと。
ずっと。
....でも。夜になっても、信長様は帰ってこなかった。