第15章 戯れなんて、言わないで。❥織田信長
信長様と過ごした日々は、私にとって宝物みたいなものだった。
恋仲になるまでいっぱい障害があったけどそれも全部乗り越えて、やっと二人でこれからを歩んでいけると思ったのに。
...信長様は、違ったの?
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ある、晴れた日お昼。
私は信長様と楽しいひとときを天守で過ごしていた。
「っ、もう一回です!」
また囲碁に負けた私は信長様に勝負を挑んでいた。
「ほう、度胸はいいが、次に勝ったら貴様は何をしてくれるんだ?」
(うっ...)
実はもう負けて5回目の挑戦の申込みだ。
それまで何かと負けるたびに信長様にしてきたが、5回目となるともうネタが尽きてくる。
考え込む私をみて...
「じゃあ...もし次に俺が勝ったら貴様のすべてを貰うというのはどうだ?」
「っ...」
その言葉の意味を知っている私はまたたく間に赤面する。
その私を見て信長様が笑っていた時だった。
すっ
襖の方から音がして信長様が顔を上げる。
「...信長様。もうそろそろお時間かと。」
秀吉さんの声が聞こえた。