第13章 レモン大事件❥明智光秀
「っ...」
光秀さんが一瞬苦い顔をした。
そして、レモンを手に取ると、がりっとレモンを噛んだ。
(!?)
一体どうしたのだろうか
「ど、どうしたんですか、光秀さん...?」
いきなりレモンをがりがりと食べだす光秀さんに私は困惑した。
すると。
「...お前に、そんな顔は似合わない。」
光秀さんがそっと呟いた。
「え...」
まさか光秀さんは、私の為にレモンを食べてくれたの?
それが分かりはっと、顔を上げると。
「華には俯いてる顔なんて、似合わないぞ。」
光秀さんがレモンを食べながらそう言った。
...やっぱり、そうだ。
それに感激した私は
「ありがとうございます、嬉しい、です。」
と、はにかみながら、語りかけるように光秀さんに言った。
すると。
「...っ」
光秀さんの顔が淡く染まった。
「、 っ、そんなこと簡単に言うんじゃない。」
そう言って持っていたレモンを置くと私をぎゅっと抱きしめた。