第13章 レモン大事件❥明智光秀
私はそのままレモンを半分程度食べた。
(んん〜!やっぱり甘い!)
(...そうだ。)
私はレモンの果汁をもともと500年後から持ってきていて、中身のなくなったミストの入れ物に入れた。
それをしゅっと自分の首に吹きかける。
(...やっぱりいいにおい!)
あとで光秀さんにも匂ってもらおうとそのときは軽い気持ちで考えていた。
それから、時が経ち。
「ただいま。」
光秀さんが襖を開けて部屋に帰ってきた。
「おかえりなさい!」
私はにこにこで笑いかけた。
「なんだ、やけに嬉しそうだな。」
光秀さんが優しい顔でいう。
その顔についついドキッとしながらも私は言葉を発した。
「レモン、食べませんか?」
私が光秀さんに聞いた。
「あぁ、俺は味が分からないがいいのか?」
(あ、)
そうだった、光秀さんは味がわからない人だったのを忘れていた。
私も最初は味が分からないなんて嘘かと思ったが、味噌汁と納豆を混ぜて食べる人だ。本当に味がわからないのだろう。
(...食べてくれると思ったんだけどなぁ。)
この美味しさが分からないのはもったいない。
そう思って俯いていると...