【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第2章 鼓動アンビシャス.1
「漣」
悠太が離れてすぐ背後から健十に抱きつかれた。
「俺のこと見ててくれた?」
「うん。めっちゃカッコよかった。あと少し頑張って。」
「サンキュ。」
健十はウインクして去っていった。
ふらっと息切れしながら剛士がやってきた。
「剛士。」
剛士は何も言わずに僕の肩に顔を埋めた。
「最後、キメてこい。」
剛士の背中をぽんぽんと2回叩くと、剛士は小さく頷いて舞台に上がっていった。
「THRIVEだけずるいっ。」
「僕らも良いですかね?」
キタコレとMooNsのみんなも僕にハグしてから舞台に上がって行った。
みんなの隣に立てないのが悔しいけど。少しでもみんなの支えになれてるんだってわかって嬉しかった。
「みんな、かっこいい。」
「漣ちゃんも、その中の一員なのよ。誇りを持ちなさい。」
中継テレビを見ていたら、いつの間にか夜叉丸さんが隣にいて、僕の肩を掴んで笑っていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
打ち上げのビアガーデンで、澄空さんのミスが夜叉丸さんのミスだということがわかり、二次会で近江牛を食べに全員でオシャレなお店まで来た。もちろん夜叉丸さんの奢りだ。
「隣、いいかな。」
「和南。いいよ。」
僕の隣に和南が座った。もちろん、左隣は夜叉丸さんだ。
「漣ちゃん。はい、あーん。沢山食べて、はやく怪我を治しなさいね。」
「相変わらず、夜叉丸さんは漣にデレデレだね…」
逆らうとうるさいので黙って口を開けた。
うん。近江牛うまい。さすがブランド牛。
和南は優しい声だけど、呆れ顔だ。
「肉、うめぇ〜〜!!リーダー、食べないならちょうだい。」
「あっ!こら、輝。」
勝手に和南の皿からステーキ肉を奪い去る輝は食い意地の塊だ。
隣の龍広にチョップされてる。あほだ。
「和南、これやる。」
「ん!」
隣のよしみで、和南の口の中に肉をプレゼントしてやった。
驚いた和南の顔も美人だ。
みんなで楽しく談笑しながら、夜は更けていった。