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【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】

第11章 絶頂エモーション.5



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剛士side
【回想】

「夜叉丸さん、久しぶりだな。」
「こんな夜中に、電話してごめんなさいね。起きていてくれてよかったわ。」

昨日の夜中、虫の知らせってやつか、どうにも眠れなくて、何となく作曲中の譜面を見返していたときだった。
夜叉丸さんから連絡が来るのは数ヶ月ぶりだった。

「元気?みんな上手くやってる?」
「ああ。澄空もよくやってる。」
「そう…ならよかったわ。」

夜叉丸さんの声のトーンが落ちて、違和感を感じた俺は問いかけた。

「夜叉丸さん、どうした?」
「…いいえ、なんでもないわ。あのね、漣ちゃんの事なんだけど。」
「漣がどうかしたのか。」

夜叉丸さんは、小さくため息をついて、話し始めた。

「漣ちゃんのお父上が亡くなってね。明日午後からお葬式なのよ。あの子、きっと行くつもりだわ。剛士、支えてやってちょうだい。それをお願いしたくて、電話かけたのよ。」

「漣の…父親…」


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殴られる夢を見るんだーー。

小さい頃、夜中眠れなくて、目の下にクマができた顔で、弱々しく微笑んだ、漣の顔を思い出し、俺は舌打ちした。

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「わかった。」
「剛士ならそう言ってくれると思ってたわ。このことは、なるべく内密にね。B-project全体の士気を落としたくないの。」
「OK。夜叉丸さん、俺からも話がある。」

夜叉丸さんが一気にふざけた感じになった。

「な、なに?THRIVEを辞めたいとかじゃないわよね?!」
「ふっ。違ぇよ。」

「あのさ。俺、結婚するわ。」

「…剛士、彼女居たの?」

「いねえよ。明日、漣にproposeする。今決めた。」

「な、」

「事前報告、一応したぞ。じゃ。」

「待ちなさい!剛士!!」

夜叉丸さんがなんて言おうと、もう決めたことだ。
俺はうるさい携帯の電源を切って、眠りについた。

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