【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第11章 絶頂エモーション.5
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剛士がアコギを弾いて、キャンドルの火だけでキャンプファイヤーをしている。中々ムードがあってよろしい。
和南が口を開いた。
「色々あったけど、楽しかったね。」
「ああ、遊んで、笑って、食べて。充実した一日だった。」
百が微笑んで答えた。
悠太が楽しそうに話した。
「また来たいなぁ!今度は、みんなで!」
「うん、本当に楽しかった。まるで、家族みたいな…」
唯月が悠太に賛同して話したが、最後の方は照れて声が小さくなった。
「あぁ。もう家族みたいなもんだな。」
龍が笑いかけた。僕も笑った。そうだ。B-projectは僕にとって、大切な家族だ。
「あ!僕、スイカ忘れてたっ!取ってくる!」
「悠太!僕も行くよ。」
突然立ち上がった悠太を僕は慌てて追いかけた。
後ろから剛士の呼び止める声がした。
「おい!お前ら方向音痴だろ。」
「近いし、スグだから大丈夫!いこ、漣ちゃん。」
「あ、うん。」
「おい!」
疲れてぼーっとしていた僕は、悠太に引っ張られるがままテント付近を後にした。
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「……ここどこ?」
僕達、完全に迷ったらしい。途中でライトも故障してつかなくなってしまった。
「悠太、休憩しよっか。」
僕達は、適当な岩場を見つけて腰掛けた。
「うぅ…漣ちゃん。ごめんね。僕が頼りないせいで。」
「大丈夫。悠太が1人じゃなくて良かった。」
「漣ちゃんんん〜。」
悠太は、泣きべそかきながら抱き着いてきたので、背中をポンポンと叩いてやった。すると、いきなりポジティブスイッチが入った悠太が、うぷぷと笑いだした。
「でも、漣ちゃんと、2人きりになれて、嬉しいな。…これって、仙人様の粋な計らいだったりして〜!」
「ん?仙人様?」
2人きりが嬉しいって…言われて僕はかぁと熱くなってしまった。
だって、そういえば、悠太は僕のことが好きだって、殿くんに宣言していた。
「あ、やっと意識してくれた?」
「ゆ、っ!」
悠太は強く僕の身体を抱きしめた。さっきしていたおふざけの抱擁とは違い、お互いの心音が混ざりあって、熱くて、痛い。
「漣ちゃん…好き。大好き。」
「悠太……」