【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第11章 絶頂エモーション.5
中から飛び出てきたのは…大きな蛾。
健十はひっくり返ってしりもちをついてしまった。
僕は怖すぎて近くにいた和南の背中に隠れた。
「んだよ、うるっせーな。…おい、阿修、押すな!」
「ええ〜?もしかして、怖いのぉ?」
「んなわけねぇ…っだぁああ!!」
健十をバカにした剛士は、もれなく悠太に押されてホコリだらけの別荘に入り蜘蛛の巣に引っかかって同じような大声をあげた。南無三。
「すっごい、ホコリだらけ〜…わぁああっ?!」
「はる、大丈夫。可愛いヤモリ。」
今度は遙日の足元を歩くヤモリ。唯月が優しく掬いあげた。健十がうしろで口元をひきつらせている。
「仕方ないな。まずは掃除から始めるか。」
「なんか、林間学校みたい!」
龍が音頭を取って、分担して掃除を始めた。百はルンバを持ってきていた。さすが電化製品愛好家だ。
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みんなでがんばって掃除して綺麗な別荘にしたあと、ホコリだらけの体を綺麗にするべく、川遊びをしようと言う話になった。
みんなは水着に着替えて、悠太はスイカを川に沈めて仙人がいるという滝まで出かけることになった。
僕は水着になれないし、そもそも泳げないので、スイカを沈めた浅い場所で顔を洗って、少し足を水につけただけにした。
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滝壺の近くまできて、皆がふざけて飛び込む中、僕は滝の裏まで歩いた。和南が着いてきてくれて、泳いだみんなに少し遅れて到着した。
「こんなに自然を近くに感じたの、久しぶり。」
「ああ。癒されるな。」
和南と龍が感嘆の声を漏らす。
そこは水しぶきが光に反射して、綺麗な虹が見えるパワースポットだった。一番乗り気じゃなかった健十が目をキラキラさせているのを見て、僕達THRIVEは目を合わせて笑いあった。
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帰って着替えたあと、BBQの準備をした。
みんなで手分けして色々な品を作り、日が落ちかけた頃、BBQを始めた。
みんな好き勝手食べて、たくさん笑って、沢山食べた。
何故か健十が仙人から海の幸を貰ってくるという謎ハプニングに出会ったけど、美味しく頂いた。仙人様、ありがとう。