【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第10章 絶頂エモーション.4
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目を覚ますと、コーヒーの香りがした。
身体を起こして周りを見ると、キッチンでコーヒーを飲んでいる剛士を見つけた。
「剛士。おかえり。」
「おう。」
「僕も飲む。」
「…」
剛士は無言で僕のコーヒーを淹れてくれた。
「今日はお仕事終わり?」
「ん。」
僕は今日のことを話そうか考えたが、剛士が怒りのあまりカチコミに行きそうだったので辞めといた。
「今夜MooNsとキラキンの生放送バラエティだよね。一緒に見よ。」
今日の夕飯当番は剛士で、パスタやスープ、グリルチキンなどの洋食が並んだ。
「今日も美味しい。剛士って、見かけによらず器用だよね。」
「漣、一言余計だ。」
僕達は2人でディナーを食べたあと、バラエティ番組を見て、2人で大笑いした。
「はぁ、面白かった。キラキンのみんなよく頑張ってたね。」
エンディングが終わっても2人で笑ってたら、自然と顔が近づいていて、剛士のルビーの瞳が細められたと思ったら、唇が重なっていた。
僕達は求め合うように互いに深いキスに溺れた。いつの間にかテレビは消えていた。
(気持ちい…)
舌と舌を絡め合って、互いの吐息が混じる。唇を噛まれたり、吸われたりして、身体がぴくんと反応してしまう。
頭がぽやんとしてきたところを、剛士にソファに押し倒されて、ソファにかかっているタオルケットを雑にかけられた。
「走ってくる。」
そう言ったと思うと、玄関に置いてあったタオルを持ち、キャップを目深に被って足早に出ていった。
(剛士、耳が真っ赤だった。)
僕はドキドキする心臓をしばらく抑えていた。
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あの収録の何日かあと、ミカの件が白紙になったことを和南から聞き、その場にいた明謙と僕でミカにタックルをかました。
ミカは涙目だったけど僕達にのしかかられて笑っていた。