【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第9章 絶頂エモーション.3
足の指から、ふくらはぎ、膝の裏、内腿と、リンパを刺激しながら丁寧にマッサージされている。天国だー。
「漣、気持ちよさそう。そんなにイイ?」
「うん……」
そのあとうつ伏せの僕のお尻、腰、背骨、肩、首、頭まで優しく刺激されている。
「はーっ、溶ける……ありがとう。次、僕の番ね。」
「俺もいいの?」
「もちろん。」
僕はしてもらったのと同じように、倫毘沙の身体を優しく丁寧にマッサージした。そのあと、身体がほぐれた僕達は、身支度をして眠りについた。
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次の日は、1日オフなので、THRIVEの部屋の様子を見に行った。
偶然にも、THRIVEみんなと竜持が家にいた。
「竜持、色々ありがとうね。」
「漣、こっちこそありがとう。トモ、悩んでたみたいだから、このまま撮影も上手くいくといいな。」
竜持は優しく微笑んだ。そこに悠太がドタバタと走ってやってきた。
「漣ちゃーん!元気だった?」
「うん!元気元気。」
「変なことされてないか?」
健十はいつも通り面白いエピソードを僕に求めてくる。
「されてないよ。仲良しだよ。」
「もうごうちんがへそ曲げちゃって大変なんだよー!」
部屋の隅でギターの弦張替えをしていた剛士がばっと顔を赤くしてこっちを向いた。
「はぁ?!そんなんじゃねえ!」
僕は剛士の横まで歩いて、剛士をぎゅっと抱きしめた。
「あとすこしで帰ってくるから。」
「…お前から…あの部屋の、花っぽい匂いがする。気に食わねえ…」
剛士は僕の首筋に鼻をくっつけた。甘えてる?
そんな剛士がなんだか可愛くて僕は抱き締める手を強めた。
なんか、胸がきゅんってした。…何だこの気持ち?
「もう帰りたくなったのか。」
横から健十がニヤニヤして覗いてきた。
「うん、なんか帰りたくなっちゃった。でも約束だから。しっかり全うしてくるよ。」
僕は立ち上がって、THRIVEの部屋を後にした。
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今日は、倫毘沙と2人で過ごす最後の日だ。
僕は若干の開放感を感じつつ倫毘沙の力になれたかどうか気になっていた。
夕飯の後、交代でお風呂に入って、歯磨きまで済ませた。…あれ以来僕は風呂で歯磨きを済ませるようにしている。
パジャマに着替えて、ベッドに入ると、倫毘沙がにこやかに僕の上に乗ってきた。乗ってきた?
