【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第8章 絶頂エモーション.2
剛士side
まろ眉が腕を組んで阿修と話している。
「弥勒、ずいぶん漣に懐いたんだね。」
「こないだお寿司屋さんで、みんなの前で『好きです!!』って愛の告白してて、激アツだったよ〜!」
あの夜を思い出して俺は舌打ちをした。
愛染がいつのまにか近くにいたらしく、面白がるような眼差しをこちらに向けてきて気色悪ぃ。隣の遙日と唯月もソワソワと浮き足立っている。
「トゥーンク!!まるで少女漫画に出てくる王子様のようですね!モモタス!」
「あぁ…殿がそのような行動をすることが意外だ。」
どいつもこいつも、うぜえ。
俺はその場から離れたくて、席を立った。
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主人公side
ケータリングと手作り料理を並べ始め、みんなとお皿や箸を用意したり和南が中心となって分担していると、僕は剛士がいないことに気づいた。探しに行こうとしたら、帰ってきたみたい。トイレかな。
「すげー!美味しそー!これ、漣くんが作ったの?いい嫁さんになれるー!」
遙日が目を輝かせている。隣の唯月も静かだけど同じ顔だ。
僕は最後の一言が聞き捨てならなくて反論した。
「僕は男だっ。」
「食べよ食べよー!そして始めよー!」
悠太が大きな声で会話をかき消してくれて、宴が始まった。
最初は倫毘沙が部屋を宇宙のように星でいっぱいにして、手から花束を出して、唯月に渡していた。
「綺麗だねー。」
「そうだね。」
僕が呟くと、隣に座っていた和南が返事をして、頭と頭がこつんとぶつかった。そういえば、今日和南は甘えんぼdayなんだった。僕は手元のフライドポテトを和南の口に入れてあげた。
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次は時代劇の殺陣を、輝とタツが披露する番だ。2人は着物を着て、セリフも気迫があり、一気に世界観に引き込まれた。
「お命、頂戴する!」
本格的な殺陣が始まり、僕達は息を飲んで見守る中、大きな声が聞こえて、誰かが僕の前を駆けた。
「義により助太刀致す!」
明謙は輝を背負い投げ。みんなポカーンとしてる中、悠太が突っ込んだ。いや、さすが悠太。
「明謙っち!それは背負い投げ!柔道じゃーん!」
「ごめん!こーゆーの見ると、いてもたっても居られなくなっちゃって。」
「ちゃんと俺が勝つ予定だったんだがな。」
タツも苦笑いだ。
部屋の隅にはルーカスが転がっていた。
