【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第2章 鼓動アンビシャス.1
「これ、Starlightの新アレンジバージョンです。」
衣装や髪を整えられてるあいだに、澄空さんが流してくれた。
凄い。ROCKでLOUDな感じになっている。剛士のイメージにぴったり。僕の好みにもぴったりだ。
僕と剛士が満足気なのを見て悠太は嬉しそうだし、曲が決定して健十も安心した顔だ。
澄空さんのおかげで、今回の問題全部上手くいった。すごい。彼女に特別な期待などはしていなかったけど、異例の人事なだけあると感心した。
「あ。昼間いたニャンちゃん。」
「まだ居たんだ〜!おいでおいで。」
僕が猫を見つけると、悠太がしゃがんで手招きする。
でも、猫は剛士の足元に擦り寄った。
「似たもの同士ってこと?」
健十がしたり顔で笑う。
「どーいう意味だっ。」
剛士が健十に噛み付いた。
「猫も一緒に入っちゃおうか。編集長の手前言えなかったけど、猫耳にゃんにゃんポーズ、飽きてたんだよね。」
僕たちは猫のおかげでリラックスした笑顔を撮影できたのだった。
「漣と猫も似てるなぁ。」
「ごうちんは黒猫、漣ちゃんは白猫?」
「剛士不吉じゃん。」
「お前らなっ。」
いつも通りのTHRIVEなのであった。
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THRIVEの部屋に戻って。
「おい。漣。」
「ん?なに、剛士。」
風呂上がりのところを引き留められた。
「お前、今日転けてたろ。脚、見せてみろ。」
「…」
ソファに座って、スエットを膝まで捲った。
「やっぱりな。お前、次のライブはステージに上がるなよ。」
「なんで、剛士が決めるんだよ……った。」
腫れてる足首を軽く握られて強い痛みを感じた。
声を聞きつけて、悠太と健十もやってきた。
「うわー、漣。派手に腫れてるなぁ。」
「あの時はなんてこと無かった。」
「アドレナリン出てたんでしょ。それに、時間が経つほど腫れるってのは、ひどい怪我によくあることだ。」
健十に諭される。僕は納得いかない。
「放置して後遺症が残ったりする方が嫌だろ。」
剛士にため息つかれた。
「漣ちゃんは女の子なんだから、僕達より身体が弱いんだよ。気をつけなきゃ。」
悠太が僕の手を握って説得してきた。