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【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】

第7章 絶頂エモーション.1


「今日はお疲れ。殿くん、健十、決まってたなぁ。」

僕は上機嫌で隣の殿くんに微笑みかけた。

「ま、俺だからね。」
「ありがとうございます。」

ばちんとウインクしてくる健十と、ポーカーフェイスで黙々と寿司を咀嚼する殿くん。2人とも通常運転だ。

「弥勒は、健十の研究を沢山してたおかげで、健十のパフォーマンスと息ぴったりだったよ。完成度が流石だよね。」
「僕も聞いたよ。そんなに毎晩ケンケンの映像見てたら、ファンになっちゃうんじゃない?」

明謙の褒め言葉に、悠太が茶化した言葉を乗せた。
すると、殿くんがじっと僕を見つめた。と思ったら、箸を持ってない左手を両手で握られた。

「俺、THRIVEのライブ映像見てて、気づいてしまったんです。自分の気持ちに……漣さん。好きです。」
『はぁ〜〜〜っ!?!?』
「んん゛っ……げほっげほ。」

みんなの大合唱と、殿くんの告白の驚きで、口の中の寿司を出すところだった。てか、急に名前呼びだし。どうした。(混乱)

「みみ、弥勒、好きって…漣は、男子だよ?」

あわあわした明謙が取り乱しながら殿くんを問い詰めるが、殿くんはどこ吹く風だ。唯月と遙日は頬を赤く染めて同じ顔を見合わせている。

「人として惚れました。存在が好きです。ファンです。」
「漣、お茶。」

健十が差し出してくれた温いお茶を流し込んで、咳が落ち着いた。
そして、悠太と剛士方面から殺気を感じる。怖くてそっちを見れない。健十は心底面白そうだ。ニヤけた口元を隠しきれていない。

「これからもよろしくお願いします。」
「あ、こちらこそ…よろしく。」

殿くんは淡々と自分の言いたいことだけ言い放ってまた巻き寿司をもりもり食べ始めた。
僕は少しむせたからか、人生初の告白をされたからか、心臓がばくばくと音を立てている。顔も赤いと思う。

「僕も漣ちゃんのこと好きなんだ〜。ライバルだね?」
「そうなんですね。阿修くん相手でも負けませんけど。」

唐突に悠太が鋭い眼光で殿くんに話しかけた。
というか、悠太は僕が好きだって何?初耳なんだけど。もう帰りたい。

「え、な、なんですか。この流れ。僕も漣くん大好きです!!ね!剛士くん!!」
「なんで俺に振るんだよ……」
「僕も大好きです…」
「ありがとう、遙日、唯月…」

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