【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第5章 鼓動アンビシャス.4
悠太が健十を引き剥がして、剛士が僕の手を掴み、1歩前に出た。
「悠太ぁ〜。ごーしがいじめてくる〜。」
なんと健十は悠太に抱き着いた。本当に酔っぱらいだ。
「あーあ。ダメだこりゃ。」
「僕、ちょっと外に連れてくよ。」
「悪ぃな。頼んだ。」
悠太にデレデレの健十は悠太に連れられて外の空気を吸いにロビーへ行った。
「釈村の二の舞ってどーゆーこと?」
「お前は知らなくていい。」
剛士はぐいっとジンジャーエールを飲んだ。
「漣、最近気が緩んでる。もっと警戒心持てよ。」
「うん……ごめん。」
心当たりあり過ぎて、グウの音も出ない。
剛士は、掴んでいた僕の手を離して、端にあるソファに腰掛けた。
僕は、図星を指されたのがムカついて、剛士から離れて倫毘沙と竜持のところへ行った。
「漣。お疲れ様。今日も素敵だね。」
「そういえば、漣ってもうすぐ二十歳だよね?」
「あ、今日だ。もう日付回ってるのか。」
今日は僕の誕生日だった。
僕は仕事におわれてそんなことすっかり忘れていたのだった。
「おめでとう!!漣ちゃん!!」
夜叉丸さんがどこからが出てきて僕に抱き着いた。
「はい。お祝いのシャンパン♪」
竜持が僕に手渡してきて僕は楽しくシャンパンを飲みながらみんなと談笑した。
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「剛士ぃ。」
「なんでこーなるんだっ。」
「ごめん、剛士。ちょっと目を離した隙に、彼、飲みすぎたみたい。」
竜持が剛士に手を合わせて謝る。
僕は全部どーでもいいから剛士にくっついていたかった。
「剛士ぃ。部屋に帰ろ。一緒に寝よぉ。」
「だーーっ。うるっせえ!耳元で喋るな。」
「剛士、大変そうだね。僕達の部屋で預かろうか?」
「お断りだ!」
剛士、イライラしてる。僕、重たいのかな。おぶらなくても、歩けるのに。
「……チッ、こんな姿、周りに晒しやがって。」
「ごめん…お酒美味しくて…」
「もうお前は、THRIVEの部屋以外で飲むな。わかったな。」
「はぁい。」
いつの間にか、マンションのエントランスに来ていた。
僕達の部屋まで着くと、電気はついていなかった。
健十は酔っ払って女の子のところへ行ったんだろう。悠太は打ち上げに戻ってきていたし、僕達2人だけのようだ。