【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第5章 鼓動アンビシャス.4
「もちろんだよ。」
僕は健十にふわりと微笑んだ。
健十は微笑みを返したあと。僕の両頬を包み込んで、口付けた。
「!!」
僕はびっくりして逃げようとするが、健十に後頭部を抑えられてて逃げられない。唇を舌で舐められて、驚いて口を開けてしまった隙間から健十の舌が僕の口内を犯していく。
「あ、……っふ」
長いキスの合間に耳を優しく触られて、変な声が出た。
「やぁ…っ」
僕は自分でも驚いて顔が熱くなるのがわかった。
健十が笑った。
「かーわいい。ホント、警戒心のない小鹿ちゃんだよね。」
「からかうのはヤメロ。」
僕は健十と距離を取ろうと、触られた耳を手で押えて後ずさった。
健十はそんな僕を追いかけて近づいて、手を握った。
健十の澄んだサファイアの瞳が、僕を射抜く。
「本気だよ。漣。」
「へ……?」
「愛染さーん!透さーん!そろそろ出番ですー!どこですかー!」
澄空さんの声が聞こえてきた。
「いっけね、早く戻らなきゃ。」
「そうだな。」
立ち上がった僕に続いて健十も立ち歩き出した。
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「スタントなし?!爆薬調整するからって無理があるわ!」
監督からの無茶ぶりに夜叉丸さんが反論する声が聞こえる。
僕達はあの河原からここまで走ってきた。
「出来るに決まってるだろ。と主演俳優が申しております。」
「愛染。」
「ケンケン!」
僕達を待っていた剛士と悠太がこちらを見る。
さっそくセットの中に入って撮影の準備が始まった。
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「クソっ、あいつらふざけやがって!」
「ど、どーすんだよ!」
「泣き言言ってんじゃねえ!さっさとここから出るぞ。」
「くっ……」
健十と剛士の会話のあと、剛士の縄が解けた。
「よし!」
「こっちも!」
悠太の声の後、剛士が悠太の縄を解き始める。
後方で爆発が始まった。爆発が早くないか?
僕はただ1人動ける剛士を見るが、表情はかなり焦っている。
「おい、これもドッキリなのか。」
「こんなドッキリ、やる訳ないよ!」
2人が小声で話してる声が聞こえた。
「くっ、外れない。」