【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第4章 鼓動アンビシャス.3
無人島から帰ってきた僕達。
翌日は澄空さんが急ぎでない仕事をリスケしてくれたおかげで、THRIVEのみんなは一日オフだった。
僕達は帰ってから泥のように眠った。
翌日、昼頃に起きてリビングへ行くと、澄空さんが来ていた。
「あ、おはようございます。透さん。お邪魔しています。」
「澄空さん、おふぁようございます…」
欠伸をしながら挨拶した。澄空さんは、僕達に入った新しい仕事の話をなる早でするために僕達の部屋に来たらしかった。
「B-project全員出演の映画かぁ。」
「主演だって、よかったね。健十。」
「ま、とーぜんだよ。」
健十は近くに立った僕の腰をぐっと抱き寄せた。嬉しそうだ。抱き寄せられたおかげで僕はソファに座ることになった。机に置かれたたくさんの紙の中から、目を引いたものを手にとった。
「ん、この記事。随分古いやつだな。」
「あ、それ、学生服で撮られてますよね。今回の映画が学園モノなので、参考にしたいと先方からお話があり、提出したものです。みなさんにも、資料のひとつとして持って参りました。」
澄空さんが丁寧に説明してくれた1枚。これはTHRIVE結成前、まだバンビ時代のこと、全員で学園生活をテーマに取材を受けた時のものだった。
「みなさん、年相応で可愛らしいですね。」
「そうだなぁ。これ、剛士と漣が入ったばかりの頃じゃないか?あの頃は、2人とも今以上に漣が剛士にくっついていたよなぁ。」
「この写真は、それよりもっと後だ。ていうか、そんな話どーでもいいだろ。」
「漣が恥ずかしがってる。珍しい。」
健十が目を細めた。僕は席を立って自分のホットコーヒーを入れた。
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回想
入所したばかりの頃。僕は同じ時期に入所した剛士と同じ部屋で、寮生活を送ることになった。本当は四人部屋なのだが、後に入った僕達が余っているため、次に新しい子が入ったら僕達の部屋に入るって寸法だ。僕は初日に問題を起こした。