【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第4章 鼓動アンビシャス.3
こうしてみんなと合流できた僕達。
いまは先程の場所で満天の星空を眺めている。
「ペンライトの光みたい。」
「ドームってこんな感じかなぁ?」
「やりてえな、ドームライブ。」
僕のセリフに、悠太が問いかけて、剛士が答えた。
それに竜持と龍が返事をする。
「やろうよ!」
「そうだな。」
みんな同じ星空を見て、同じ光景を思い浮かべている。
ミカのポケットの、手回しラジオから永久パラダイスが流れ出した。
「澄空さんも、頑張ってくれてるみたいだね。」
倫毘沙の掛け声で、円陣を組んだ。
「目を覚ませ、B-project!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
龍が、何かを見つけたらしく、夜中ではぐれると行けないのでみんなで斜面を登って高い岩の上まで登ることにした。
僕はまた悠太に手を引かれている。今日はずっと悠太と手を繋いでる気がする。
「漣ちゃん。大丈夫?今日、僕のせいで沢山歩いたから、疲れたでしょ。おぶろうか?」
「大丈夫。ありがとう。それより、さっきあの場所で、何を言おうとしていたんだ?」
悠太は、はっとした顔をしたあと、はにかんだ。
「漣ちゃんは、大切な人だよって!」
「そっか。僕にとっても、悠太は大切な人だよ。」
繋いだ手をギュッと握り返した。
僕達の会話を聞いたのか、健十が僕と悠太の手をチョップで離させた。
「いつまで繋いでる気?」
「いいじゃーん。ケンケンのヤキモチ焼きー。」
「ここからは俺がエスコートしますよ。我らが姫。」
キザにウインクする健十に右手を取られた。
もう片方の手を、ぱしっと握られたので、そっちを見ると、剛士だった。
「おい。チンタラしてねえで、さっさと歩けよ。」
剛士はすぐそっぽ向いてしまったけど、剛士らしくて笑った。
「えー!2人とも、ずるい!!」
「え?悠太?!うわっ!」
悠太はあろうことか僕を2人から奪って、米袋のように抱えて坂の頂上まで走り抜けた。
「あっ!こら、悠太!」
「あいつ、有り余りすぎだろ。」
後ろで健十と剛士がなんか言ってる。
「はは。元気だなぁ。」
「呆れた。」
倫毘沙と竜持の呟きが追い抜きざまに聞こえた。
そして、結局、龍が見つけたのは、北門製薬研究所だった。
「北門製薬すんげぇ〜!」
輝の声がこだました。