【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第4章 鼓動アンビシャス.3
「カネさんの怖がり設定はなかなか萌えますよね。」
「あ゛ぁ゛?!違うっつーの」
「あーーーっ!!!」
「ひいっ!!」
あからさまにほっとした剛士をミカがからかってる。
「これ、クワの実です!魔女っ子マミリンのアニメで予習した僕にはわかります!」
「詳しいな。」
「金城、上。」
「なっ、なんだよ!!」
博識のミカを百が褒めた。
龍の指摘に剛士がびびって僕に隠れた。
「青パパイヤだ。アクを抜けば生でも食べられる。」
「すごい!詳しいんだね。」
「ヨモギ事件で反省して少し勉強したんだ。」
「みんなすごい…」
悠太がぽかんとしてる。
「あーーーっ!!!」
「今度はなんだよっ!!」
僕の後ろで小さくなってる剛士が大声で威嚇した。
「洞窟だー!これで雨が降っても大丈夫だね!」
ラッキーボーイ、輝が洞窟を見つけて、そこを拠点とすることが決まった。
「すごいなぁ。中はどうなってるんだろう?」
はしゃぐ倫毘沙。和南はそれを横目で睨んでるように見える。
「ここからはチームに別れよう。」
チーム分けでわざと倫毘沙を自分と別チームに分けたように見えた。倫毘沙は悲しそうだし、和南、イライラしてる?
2人が心配だけど、僕は取り敢えず与えられた仕事をやることにした。
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僕は悠太と薪を探していたけど、気づいたら迷子になってしまっていた。
「ごめん、悠太。薪探しに夢中になりすぎた。」
「僕こそ、ごめん。いつもの方向音痴で……」
なんか悠太、落ち込んでる?
「僕、今日、何の役にもたってない。迷惑かけてばかり…いつもそう。肝心な時に、ごうちんやともくんのように、カッコよく誰かを助けたりできない。」
僕は落ち込んで下を向く悠太の両頬を包んだ。
「悠太。悠太には悠太の良さがあるじゃん。悠太はもう、剛士や倫毘沙に持ってないものを持ってる。」
「え?!2人が持ってなくて、僕が持ってるものって、何?」
悠太は驚いた顔をして、悠太の頬を包む僕の右手を握ってきた。
「さぁ。そこは、自分で考えなよ。」
僕は笑って、悠太に背を向けた。今は、みんなのところに戻らなきゃ。
「うーん…?」
「今は取り敢えず、日が落ちる前に、さっきの洞窟に戻ろう。」