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【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】

第4章 鼓動アンビシャス.3


竜持が周りを見渡す。

「ここどこ?」
「さっきまでいた島…じゃあないみたいだね。」

倫毘沙が顎に手を当てる。

「ここ、無人島?!」
「無人島ですか……」
「2人とも、この状況を楽しんでるだろ。」

はしゃいでいる悠太とニヤニヤしているミカに百がツッコんだ。

「だっていまこの世には携帯という文明の利器が…」
「澄空に預けてきたな。」

ミカがドヤ顔で話すが、龍に論破された。

「それが、持ってるんだな〜。」

得意気な健十か携帯を見せて、澄空さんに電話をかけた。

「あいちゃんナイス!!」
『もしもし、愛染さん?!無事なんですね!』
「うん。みんな無事。」
『よかっ……ザザー……プツッ。』
「あれ?切れた。圏外だって。」

健十の携帯を覗くと、電波が切れていた。水没したから故障したわけではなさそうだ。

「無事を伝えられたことだし、そのうち救助が来るだろう。」
「でも、僕達このままなのはまずくない?」

『ごおおお…………』

島中に響き渡る音に、みんな一気に警戒した顔になる。

「なっ、なんだ?!」

剛士が怯えてる。
僕は剛士を守るように、剛士の横に立った。

「人では無さそうだな。」
「動物?」
「クマとか?」
「恐竜では?!」

百、倫毘沙、悠太、ミカの順に、それぞれの予想を話すが、最後の方はからかってるだろ。

「お前ら適当なこと言ってんじゃねえ!」

キレる剛士の横で、輝が腹を鳴らした。

「あーっ。だれかー!お腹空いたーっ!このままじゃ飢え死にしちゃうよ〜っ!」
「おい。輝、それ。」

龍が指を指し、輝が掘り出す。それは澄空さんのクーラーボックスだった。

「やったー!!」
「わーいわーいわーい…っとっとー!」

悠太がはしゃぎすぎて海にお弁当の包みを落とした。

「ひえええ!ごめんなさいー!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

取り敢えず、夜を越せる場所を探すために、みんなで島の奥を探索することになった。
剛士は納得してないみたいだけど。

「おい、こんなに奥に来ちまっていいのかよ…」
「でも、あのままあそこにいたって何も出来なくない?」

竜持に正論を返されてる。
不安そうな剛士に百が言った。

「金城。安心しろ。さっきの音は人間ではないが、霊などの類でもない。」
「そ、そうか……」

あからさまにほっとした剛士。
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