【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第4章 鼓動アンビシャス.3
夜の10時頃、マンションロビーに集合してロケバスを待った。僕はもちろん剛士の隣に座っていたのだが、ミカに話しかけられて、無意識に剛士の手を握った。そんな僕を見て、ミカは自虐的に笑った。
「先日は申し訳ありませんでした。これ、忘れ物です。」
僕に渡されたのはオシャレな包み。多分、中身はサラシだ。
「なんのこと?忘れ物、届けてくれてありがとう。」
僕はミカの瞳をまっすぐ見つめて、口元だけニッと笑った。
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ロケバスでは悠太と隣だったので、悠太と頭を預け合いながら眠った。悠太のふわふわの頭が少しくすぐったかったけど、居心地のよさがありがたかった。
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「よーい、始め!」
ミカと和南のビーチフラッグ対決。
「塗り残し無いようにね。」
パラソルの下では竜持が健十に日焼け止めを塗っていて、本を読んでいる隣で僕はノンアルコールカクテルを飲んでいる。
「おさあしゅ〜スプラーッシュ!!」
輝と悠太が倫毘沙と剛士と龍に水鉄砲をかけて、報復に龍が投げ飛ばした剛士がおさあしゅにダイブして海に落ちた。
みんな好きに遊んでいる。察しの通り僕は水濡れOK生地のパーカーを着ている。元々カナヅチだし、海に入るつもりはない。
「場所移動しまーす!」
スタッフから声がかかって、船の上まで来た。
「クーラーボックスに、飲み物、軽食など入ってます!」
「ありがとう、澄空さん。」
「みんな、好きに遊んでー!」
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しばらく撮影が進んだあと、急に空に黒い雲が広がり、ゲリラ豪雨が降ってきた。
「つめたぁ!」
僕は手を眉の上で翳して傘にして、周りを見渡した。
「揺れるー!」
輝が船の柱に捕まって必死に立っているが、数人は倒れてしまっている。
「船が流されてる!」
焦った和南の声が聞こえた。
「みなさーん!」
遠くから澄空さんの声が聞こえた。
しばらく雨と波でびしょ濡れになり、船も大きく揺れながら海を移動したらしい。一段と大きな波が来て、僕達は海に投げ出された。
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目を覚ますと、そこは砂浜だった。
仲間たちも全員いて、取り敢えず安心した。
僕はみんなを起こして回った。
「倫毘沙…竜持。和南、輝、龍、百、ミカ。剛士、悠太、健十。」
みんな意識は正常で怪我もないようだ。