【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第3章 鼓動アンビシャス.2
「輝ーっ。心配させんなよ。」
「漣ちゃん!ごめんごめーん。あはは。」
「ゴメンじゃねえよ。ったく。」
ここはMooNsの部屋。僕は輝にだる絡みをしていた。
今日の仕事が終わって、気まぐれにお邪魔しに来ていた。
輝の保護者の、龍も一緒だ。
「漣、輝、龍。そろそろ飯だ。」
「百ー。ありがとう。」
今日のごはん担当は百らしい。お気に入りの真っ白な割烹着を着ている。オッドアイにボブヘアーの見た目とは少しちぐはぐに見える、だがそこが百らしい。
「かれいの煮付け?!めっちゃ和食…超うまそう。」
漬物から味噌汁、小鉢も充実していて、家庭料理の枠を超え、お金を取れるくらいの出来栄えだ。
「いただきまーす」
今日は、ミカはドラマの打ち上げで夜遅く帰ってくる予定らしい。珍しく飲んでくるのかな。
「和南、天才ブランチ見たよ。とっても良かった。」
「そう?ありがとう。」
「俺は俺はー??」
「輝ははしゃぎすぎだし。龍まじオツカレ。」
「ぐうの音も出ません!」
「サンキュ、漣。」
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楽しく食事を終えて、みんなでゲームして、帰りたくなくなってきた。
「僕、泊まって行きたい…」
和南の太ももに倒れ込む。膝枕状態だ。美しいお顔を見上げる。
「えぇ?……剛士怒らない?」
優しく微笑んで、僕の前髪をさらさらと指で撫ぜてくれた。
「連絡すれば大丈夫ー。」
「ホントかな…」
和南が苦笑いしている。向こうから輝の元気な声が聞こえてきた。
「漣ちゃーん。リーダー!布団敷いたよっ。みんなで川の字しよ。」
「わーい。輝ありがとうー!」
起き上がって、布団にダイブしに行った。
輝も真似してダイブしてどんぐりころころしている。
2人で爆笑してると、ホコリが舞うだろって龍に怒られた。
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「…ん……」
寝静まった後、僕は尿意で目を覚ました。
時計は、深夜2時半を指していた。
寝ぼけている僕は、なぜか階段を登って、2階の部屋を開けていた。
「はれ?ミカ…?」
「おや?漣…」
ミカはデスクに座って、何か本を読んでいたようだった。
「夜這いですか?」
「ごめん、間違えた。オヤスミ。」
出ていこうとしたら、後ろからハグされた。