【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第3章 鼓動アンビシャス.2
「漣の様子がおかしい……」
俺がつぶやくと、後ろの2人も気がついたらしく、不穏な空気になった。
漣の後ろに、漣と手を重ねて剣を持つ侍の魂が見えた。
「あれは……尊皇攘夷志士の亡霊?!」
漣は、味方である役の松倉さんに斬りかかった。
「おい!手順が全然違うぞ!誰か!彼を止めてくれ!」
「うがぁあっ!」
いつもの彼とは似ても似つかないような形相で大声をあげている。
「このままじゃ、漣が危ない。」
「どーすりゃいいんだよ?!」
金城は焦っているのか、落ち着きの無い様子だ。
そうしているうちに、漣を抑えていた俳優たちの瞳も紫色に濁り、誰彼構わず斬りかかり始めた。
「倒す!」
「心得た!」
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周りに散らばる死屍累々……気絶しているだけのようだが。
最後に残ったのは菊一文字を手にした漣だった。
「漣!目を覚ませ!」
金城が懸命に声をかけているが届いていないようだ。
斬りかかってきた漣の切っ先を躱し、漣の後ろの亡霊を突いた。
漣から亡霊が剥がれて消滅し、漣は目を閉じて崩れ落ちた。
倒れた漣を金城が抱き止めていたのは言うまでもない。
その後、なんと4人とも沖田総司役で正式に宣伝され、舞台は公演された。
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主人公side
なぜか2日目の稽古で具合が悪くなって倒れてしまったらしい。
その日の記憶が無いが特に困ることも無いので舞台の稽古を続け、いよいよ公演となった。
この公演中に、天才ブランチの撮影があり、輝の薬を探す用事で、みんなでMooNsの部屋中をひっくり返したらしい。
その日はちょうど僕の公演の日だったので、駆けつけられなくてとっても残念に思った。