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【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】

第3章 鼓動アンビシャス.2


なんとなく仲直りした僕達。
僕はいつも通りTHRIVEの部屋で暮らしている。
記憶が戻った竜持は、記憶喪失の時の記憶が途切れ途切れらしくて、僕の秘密のことは多分知らない。

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竜持の父親らしい、松倉健蔵という大御所俳優から、時代劇の配役オーディションの話がB-project全員に来た。なんでも、新撰組と攘夷志士の戦いがメインテーマの作品らしい。主役の沖田総司役を狙って、皆稽古に精を出した。

一回目のオーディションで人数は絞られ、残ったのは百、ミカ、剛士、そして僕の4人だった。
今日は2度目のオーディションでいよいよ配役が決定する。
僕達は早朝から遠方の稽古場までバスに揺られていた。
百は外の景色を、ミカは携帯で動画を、剛士は台本を見ている。
僕は、剛士の肩に頭を預けてウトウトしていた。

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「今日は来てくれてありがとう。早速稽古を始めよう。」

松倉さんが皆を仕切り指示をだす。
松倉さんに密かに憧れている百は彼に目が釘付けだ。

「では、手始めに、音済くん。若大路くん。」

先程剛士とぶつかり、剛士のオラつき加減にしっぽ巻いてた人だ。
そんな失礼な覚え方をしてしまったが、彼の剣さばきは素晴らしいもので、役に入ると人が変わるタイプなんだなと理解した。

しばらく打ち合っていると百が急に目を瞑り、眩しいような素振りを見せた。その隙に小手をとられてしまった。しかも、かなりどぎつい。痛々しい音がした。

「百太郎!!」
「モモタス!!」

2人が駆け寄り、若大路を攻めるが、彼は百に問題があるかのように告げて去っていった。慌てて澄空さんが百の手当をし始めた。百は悔しそうな目をしていた。

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