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【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】

第2章 鼓動アンビシャス.1


「倫毘沙、男が恋愛対象なんだろ?」

僕の上の倫毘沙は目をぱちくりさせて固まった。

「もしかして、僕と竜持のことを疑っているの?」
「疑われても仕方ないよ。王子と姫。お似合いだもん。」
「君も姫じゃないか。真紅姫。」

倫毘沙は僕の隣に倒れ込んで、僕の首筋にひんやりした鼻をくっつけてきた。

「ひゃっ。冷たい。ははは。」

じゃれていると、リラックスしてきたのか、眠くなって、倫毘沙の腕の中で目を閉じた。

「おやすみ。マイシンデレラ。」

寝ている漣の瞼に優しいキスが降ってきたことは、誰も知らない。

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side THRIVE

「ごーうちーん。漣ちゃん取り返しに行かなくていいのー?」

リビングでギターの弦を張り替える剛士に、飲み物を取りに来た悠太が話しかけた。

「るっせえ。阿修。あんなやつほっとけ。」
「あーあー。漣、倫毘沙に今頃美味しく頂かれちゃってるかもね。」

ソファに横たわりながらスマホでメッセージを送る健十は通常運転だ。

「あ゛?!」
「おー怖っ。」
「もー、ケンケンに八つ当たりしないのっ。気になって仕方ないなら迎えに行けばー?」
「……」

剛士は勢いよく立ち上がったかと思うと直ぐに自室へと踵を返した。

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剛士side

「なんなんだよ。」

アイツのことが頭から離れなくて全然弦張りに集中できない。
だいたい、ムカついたからって簡単に家出すんなよ。ワケありの癖に。

「I’m so pissed!」
(くっそイライラする!)

感情のまま、無意味に壁を蹴った。

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