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夕顔

第10章 人生も人間もバグだらけ







艦船をおりた高杉へ向けられている無数の銃口。
それに怯む様子を微塵も見せない彼に、天人の一人が発砲の掛け声をがなりあげる。

だが相手からの攻撃よりも鬼兵隊からの銃撃が先だった。


「鬼兵隊、突撃ぃい!!!!」

高杉の声に、次々と鬼兵隊のものが飛び出していく。
その中に一際勢い良く飛び出し、弾丸の如く天人の心臓を潰していく者が一人。


「皐月よぉ、首取り合戦んときゃ閉じ込めちまったからな。好きに暴れていいぜ。」

「暴れる?そんな事はしない。……皆殺しだ。」

「いや、充分暴れてるからなそれ。」


その場には桂と坂本の姿もある。
高杉は水を得た魚の様に敵を倒し続ける皐月を横目に、二人と背中を合わせた。

「皐月?!まさか奈落が?!」

「俺が連れてきたんだ、んなわけねぇだろ。でもまぁ近寄らねー方がいいのは確かだ。あいつ、自分の周りで動くもん全部殺して回るつもりだろうよ。」

ある意味敵だな、と意地悪く笑う高杉に桂は少し安心したような顔をする。
そんな会話がされているとも知らず、彼女は次々に湧いて出る敵を踏み潰し続けていた。奈落で暗殺の技を身につけた上に夜兎の戦闘能力。まさに鬼に金棒。皐月が戦っているところを見るのが初めての桂はその姿に少し驚いている様でもあった。






「……まって?またわし置いてかれてる?」

「いけ!てめぇらあ!!!」

「ねぇおいてかれてるぅううう?!?」




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