第7章 キャッホーな奴には少し早い待ち合わせ時間を教えておけ
さて、ここからが面倒である。
勝手に戦力を削り合う奴らに、皐月の興味など一ミリもない。彼女が気にしているのは、朧とあの二人の避けきれない接触についてだ。
昔の一件から、朧は彼女を地球から離したがっていた。
だがこうしてあの人の計画が進んだ今、どうしたって地球は避けては通れない。何故なら、あの人の一番のお気に入りだから。龍脈の事もあるがあの人の思い入れの強い星、そしてあの人の性格上、地球が最後に選ばれる事は読めている。
皐月は、この時を待っていたのだ。
あの人が、地球に根を張る、この瞬間を。
彼女が何の為に今まで過ごしてきたか。
吉田松陽が虚に負けたあの日、皐月はあの一片に誓った。
どの様な形になろうとも、あなたを銀時に返そう。
全ては銀時を、銀時の魂を守るため。
鬼の彼が人となり、進まずにすんだ修羅の道。
その暗闇が彼を喰らわない様、その道は鬼である自分が歩もうと決めた。
くるところまで来てしまったのだ。
後戻りはできない。
もう銀時の隣に、帰ることはできない。
「霞、玄。」
あとは自身諸共壊すだけだ。