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夕顔

第4章 恋にマニュアル本は必要ない




「おーい、やってくれたなこのすっとこどっこい。危うく船沈没するとこだったわ。」

「なんだ、君は博打に負けたんだと思っていたんだがな。」

「笑い事じゃ無いからね?本当に死ぬ想いしたからね?これ本当だからね?」


帰ってきたのは第七師団と鬼兵隊だった。
思わず皐月はしたり顔。だが阿伏兎は地獄から戻ってきたかの様な面構えだ。

「これはこれは、何時ぞやの。晋助が世話になったでござるな。」

「晋助様〜!どこっすか〜!返事してくださいっす!!」

「ちょ!万斉殿。この美しいお方はどなたですか?晋助殿のこれですか?日取りはいつですか?」

それに比べて鬼兵隊の賑やかさたるや。
少し訳の分からないのも混ざっていたが、皐月は無視して背を向けて歩き始めた。

「時間がない。……ここからが、本当の地獄だ。」








地が揺れるほどの爆発と共に、中央広場への壁が破られる。
第七師団、鬼兵隊が突撃に入ったときにはすでにそこは血の海になり始めていた。

「全く、類は友を呼ぶとはこの事だな。上が血の気の多いやつだと、下も下だ。」

広場を見下ろすアホを、見上げながら呟いた。
処刑台では高杉と神威が暴れており、その足元には天人の頭のつぶれた死体や身体が上下離された死体などがゴロゴロ転がっている。



「おいぼーっとしてんじゃねぇぞこのクソマア!!前から気にくわねぇ顔しやがって!!!」

駆け出した二組に続いて入ったまま戦場を眺める皐月に、豚の頭をした天人が大剣を振り回しながら襲いかかった。その流れに乗って、今までどこの師団にも属さずとも幹部クラスの力を持った彼女に不満があった者が武器を手に向かってくる。


「ここでてめぇも、しんでいk………」



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