第3章 春休み明けの女子と夏休み前の男子はセットで気をつけろ
木の上から拝殿を覗き込む。
傘のせいで顔は見えないがどうやら女だ。見た事のない型の服の端が見える。
その隣に座っている高杉は、女の膝の上に自分の教本をのせて、指さしをしながら何かを話している様だった。
「なんだ、ただの発情期か。」
銀時は眉を寄せながら桂の横に飛び降りた。
「そう言ってくれるな。良いではないか、青い春とはこの事だろう。とは言っても最初に会ったのは俺だったのだぞ。それが高杉に見つかってしまってからあの調子だ。」
肩を竦めながら話す桂は、高杉ら二人から銀時に視線を移して驚いた。
「ほぅ、年中頭からっぽの貴様でも、そんな顔ができたのだな。」