妖精の夢~Another Story~【気象系BL】
第1章 Red fairy doting
翌朝。
鏡を見つめ・・・
溜め息をつく智。
智「…畜生っ!
…翔君のバカ!…。今度は歯形まで付けちゃって…」
文句の一つでも言いたかったのに
張本人である翔は、とっくに人間界に行ってしまった。
智「ほんとありえないっ…!!バカ翔…」
智はソファーに向かってクッションを投げ付ける。
いつものことながら、
翔の態度は憎たらしくもあり、
うざったくもあって……。
どうしようもなく、腹が立つときもある。
それでも、心のどこかで翔を好きだと思っているから
仕様がないのだ。
智「本人に言うと…調子に乗るから黙っていようっと・・」
智は頭の中で思いつつ
もう一度鏡を覗き込んだ。
くっきりと首筋に残った歯形。
智「バカ翔…」
顔を赤くしながらも智は小さく呟き、
その痕を優しくなぞった。
END