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【進撃の巨人】Short Story

第6章 相変わらず【リヴァイ】


あぁ、でもー。
リヴァイは、リヴァイだけは、そんな私を可愛いって、愛おしいって思ってくれるのかな。
喧嘩をしても、不機嫌な私も、我儘な私も、背中合わせに立っていても、そんな私も可愛いんだってリヴァイは思ってたのかな。
どんな失敗をしても、いつだって、私の味方でいてくれたみたいにー。
久しぶりに包まれたリヴァイの腕の中は、紅茶と石鹸の混ざった香りの中に私のお気に入りの香水の匂いがしていた。








【相変わらずだね私達って笑ったら
 それが俺達だからいいんだって、あなたが愛おしそうに微笑んだ】









「お昼ご飯は何を食べたい?」
「なんでもいい。」
「それが一番困るんだよ。」

なんだかすごく懐かしくて、ひどく愛おしくて、他愛のない話をしながら、何度も何度も通った狭い路地を手を繋いで歩く。
それがすごく嬉しくて、リヴァイの顔を覗き込んでふふっと笑ったら、髪をクシャッとされた。
マンションのエントランスから一緒に中に入って、家に帰る。

「待って。お昼ご飯作る前にこっちだよ。」

リヴァイの手を握って、寝室に引っ張る。
勘違いしないでね。そういうことじゃないから。
黒いトートバッグの中から、黒猫と白猫のぬいぐるみを取り出して、寝室のベッドのヘッドボードの上に並べる。
ピタリとくっついて座っている彼らは、やっぱり私達にそっくりだ。
すごく、嬉しそうに見えた。

「ここで並んでるのが一番しっくりくるね。」
「そうだな。」

自然と顔を見合わせて、私達はそっくりな笑顔を互いの瞳に映す。
私達はきっといつまでも相変わらずで、正反対なようで似ているから、私達にそっくりのこのぬいぐるみみたいに、いつもピタリと並んで歩くことは出来ないのかもしれない。
時々、歩幅が合わなくなって、気づいたら背中を合わせて立っていることだって、きっとあるんだろう。
でも、今みたいに、この手だけは離さないようにしよう。
私も、優しくすることを、忘れないから。
うん、ちゃんと努力する。
だから、リヴァイは、今日みたいにまた、強がりな私を追いかけて抱きしめてねー。
昼飯の前にお前を食う、なんて真面目な顔のムードも何もない相変わらずなリヴァイがね、大好きだよ。
だからずっと、私の前では相変わらず格好悪いリヴァイでいて。
いつまでも相変わらず、そばにいさせてね。





—fin—
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