第1章 俺の芝生はいつもどこよりも青い【リヴァイ】

【リヴァイ 】

大きな船に乗って、マーレに潜入してきた。
初めて見た壁の外にある人類の世界は、俺達の知らないことや、知らないものばかりで溢れていた。
話には聞いていたけれど、実際に見ると、やはり目を見張る。
見たこともない贅沢品や、乗り物、ガキ共がハシャいでうるさいくらいに美味い食べ物、いろんなものがたくさんあった。

「兵長でもハシャいだりするんですね。」

紙袋を抱える俺を見て、エレンが意外そうに言った。
それを聞き流して、俺は、目につく新しいものを手当たり次第に買っていった。
思い浮かぶのは、の嬉しそうな笑顔だ。
残念だったのは、アイスという冷たい食べ物は、買ったすぐそばから雪のように溶け始めてしまうから、持ち帰れそうになかったことだ。
きっと、甘いものが好きな彼女は、柔らかい頬が落ちそうなくらいに喜んで、美味しそうに食べてくれたのに—————。