第35章 scene37:僕達のParty Starters!
僕…、変なこと言った…のかな?
翔くんがキョトンとしたお顔で僕を見つめて来る。
でもそれはほんのちょっとのことで、すぐに笑顔になったかと思うと、僕の背骨が折れちゃうくらいムギューッと抱きしめられて…
「しような、キス。どんなに喧嘩しても、もうダメだって思ったとしても、キスして仲直りしような?」
「翔くん…」
「そしたらさ、ずっと笑顔でいられる気がする」
うん、僕もそう思う。
ってゆーか、そもそも喧嘩しなきゃ良いだけの話なんだけどね?(笑)
「あ、ねぇ、時間…」
いくら余裕あるって言っても、けっこう時間経ってる気がするんだけど…
「え、あ、やっべ…。行って来る」
「うん。行ってらっしゃい(笑)」
「あ、帰ったら電話する」
「うん、待ってる」
僕、ちゃんと良い子で待ってるから。
今度は玄関の外まで出て、翔くんの背中が見えなくなるまで手を振った。
どうしてだろう…
さっきは寂しかったのに、今は全然…ってことはないけど、さっきみたいに寂しくはない。
やっぱキスってパワーあるんだね♪
あ〜、早く翔くんと一緒に暮らしたいな…
そしたらさ、毎朝翔くんとキスして、笑顔で手を振って…それから、翔くんが帰って来たら、またキスをして…
ふふ、僕ってば超乙女じゃん(笑)
僕達が一緒に暮らせるのは、まだまだ先の話しなのにね?
…って思ってたんだけどな…
翔くんのお仕事が安定するまでって…
それまでは恋人気分楽しもうって言ってたの、翔くんだったよね?
なのにさ、入社から半年も経ってないのに、分譲マンション買っちゃうとかさ…、もうビックリなんだけど(笑)
でもさ、僕には相談も無かったし、ちょっと強引だとは思ったけどさ、凄く嬉しかった。
ここから僕達の生活が始まるんだ、って…
ずっと翔くんと一緒にいられるんだ、って…
契約書に書かれた僕達の名前を見た時、凄く幸せだった。
でも、翔くんから渡されたのはそれだけじゃなくて…
マンションの契約書と、もう一枚…
「誓約書」がそれられていて、そこには…