第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
元はと言えば、僕が翔くんに意地悪しようと思って、相葉さんがせっかく味付けたギョーザのタネに、大量のニンニクを投入したのが悪かったんだよね…
「ごめ〜ん…」
ワクワク気分から一転…
シュンとしてしまった僕は、三人に向かってペコリと頭を下げた。
だってさ…
「俺、この後仕事なんだけど…」
AVのお仕事って、超密着するし、当然キスだってするし…
絶対お仕事に響くもん…
しかも、相葉さんならともかく(どんな扱い?)、松本さんのお仕事に影響を及ぼすとなったら…
「ほんっとーに、ごめんなさい」
やっば大問題だよね…
「まあさ、牛乳でも飲んどけば大丈夫なんじゃない?」
あ、そっか、そうだよね…って、それって本当なの?
「そうだな。行きがけに口臭ケアグッズ買ってくし…、問題ないだろ…」
「本当に?」
「まあ…、少々ニンニク効き過ぎではあるけど、味は悪くないしな?」
良かったぁ♪
だって松本さんて言ったら、AV男優界でも有名なグルメだし、ちょっと心配だったんだよね…
あ、でも味付けの殆どは相葉さんがしたんだから、不味いわけないか(笑)
「ね、智くんも食べなよ? ほら、二人でニンニク臭かったら、そんなに気になんないでしょ?」
あ、そっか…
それもそうだよね(笑)
「ほら、お口開けて?」
え?
ねぇ、それってまさか?
嘘…
僕、初めてなんだけど♡
「う、うん…」
僕はちょっぴり恥じらいながら、言われるままお口を大きく開けた。
すると、
「はい、アーン」って翔くんが僕のお口の中にギョーザを入れてくれて…♡
何だか凄く恥ずかしかったけど、翔くんにアーンして貰ったギョーザは、今まで食べたどのギョーザよりも美味しくて…
「んふ、おいちぃ♡」
僕が言うと、翔くんはニッコリ笑ってから、また「アーン」ってギョーザを僕のお口に運んでくれた。