第33章 scene6:君だけのHIME…にして?
翔くんの指が、僕の中で忙しなく動き回る。
相変わらず不器用なんだけど、その不器用さが僕は嫌いじゃない。
そりゃさ、プロの男優さんみたく、的確にピンポイントを責められればさ、気持ち良いのは当然なんだけど、不器用だからこその手探り感が、セックスに慣れてしまった身体には新鮮に感じられて…
「あ、ああ…、気持ち…イィ…」
もう肘を着いただけではとても身体を支えられずに、お顔を枕に埋めた状態で、高く持ち上げた腰を揺らした。
「凄いね…、指に絡み付いて離れないね」
違うよ、翔くんの指だからだよ?
僕の中にあるのが、大好きな翔くんの指だから、離したくないの。
あ、でも、指以外の…そうだな、もっと太いのくれるなら、その時は離しちゃうかも(笑)
だって僕、指で掻き混ぜられるのも嫌いじゃないし、寧ろ好きだったりするんだけど、でもやっぱり硬くて太くて…、もっと欲を言えば、長い方が好きなんだもん♡
「ね、もっと混ぜて…?」
もっと僕をぐちゃぐちゃにして欲しいの…
「智くん…。ああ…もお…、何でそんな可愛いことばっか言うの?」
え、僕の…可愛い?
ねぇ、僕可愛いの?
ふふ、可愛いなんて言われると、もっとお強請りしたくなっちゃうけど…、良い?
「あの…ね、何も考えられないくらい…、翔くんのことしか考えられないくらい、ぐちゃぐちゃにして?」
僕は突き上げたお尻を、翔くんの指が挿ったままフリフリと振ってみせた。
でも…
「ねぇ、それってさ、“俺以外”のことも考えてた、ってこと?」
僕のお尻から指が引き抜かれ、身体を乱暴にひっくり返された。
え、怒ってる?
僕…、何かおかしなこと言った?←自覚無さすぎ(笑)
「んと…、えと…、あのぉ…」
僕が答えに困っていると、一度は引き抜いた指を、今度は一纏めにして僕の中へと突き挿れた。