第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
「本当…に?」
もぉ…、翔くんたら疑り深いんだから…
「本当に本当にだよ? 翔くんがツルツルが良いって言ったから…、和に剃って貰おうと思っただけだもん」
だから僕を信じて?
「俺のため…ってことなんだよね?」
うん、そうだよ?
翔くんに、ツルテカな僕を見せて上げるためなんだよ?
「そっか…、なんかごめんね、変なこと言って…」
「ううん、気にしてないよ」
ってゆーか、前から思ってはいたことだけど、翔くんが“超”が付く程嫉妬深いんだね?(笑)
でも、それだけ僕のこと“好き”ってことじゃん?
だから変な疑いをかけられるのは…、正直嫌〜な気持ちにもなるけど、たまになら悪くないかも♪
ってことで、
「ね、分かったでしょ? だから服着て?」
こんなとこ、和はともかくとして、相葉さんなんかに見られたら、確実に“オカズ”にされるもん。
ってゆーか…
「ねぇ、和は?」
「え、知らないけど? 智くんと一緒に部屋を出てから、姿も見てないし…」
え、そんな筈は…
だって剃り剃りセット用意してくるって…
だから僕、ずーっとこの格好のまま待ってたんだけど…?
「僕ちょっと見て来る」
僕は翔くんを押し退け、すっかり意気消沈してしまった息子くんに謝ってから身体を起こした…んだけど…
「ね、ねぇ…、何か感じない?」
「いや、俺は何も…」
そう言って自分の下半身に目を向ける翔くん。
そうじゃなくて!
「何てゆーか…、視線?みたいな…」
「そんな筈は無いでしょ」
そうだよね、翔くんは頭は良いけど、僕みたく繊細(←自分で言うか!)じゃないし、案外鈍感なとこあるから感じないかもだけど、僕は超感じるんだよね…
ネット〜りと絡んで来るような、うん…不気味な感じの視線を…
僕は翔くんを盾に、窓ってことはないだろうから、そーっと部屋の入口の方を覗き見た。
え、えぇぇっ、何で?